「実家に帰ると、なぜか昔の自分に戻ってしまう」
本日もご覧いただきありがとうございます。
シルバーウィークが終わりましたね。皆さんはどのように過ごされましたか。
台風の影響で被害にあわれた方もいらっしゃると思います。一日も早く、いつもの日常が戻りますように願っております。
お彼岸のお墓参りなどで、実家に顔を出した方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして、帰ってきてから、どっと疲れている方も。
私はすでに両親が他界しているのと、お墓もそろそろ熊が出てきそうな時期となり、今年は仏壇に手を合わせておりました。
「連休なら帰ってきたら」と言われて、ご両親に会いに行く予定にしたけれど、なんだか気が重い。帰省するにも、勇気がいる。そんな方もいらっしゃったかもしれませんね。
実家に帰ると、時間が巻き戻る気がする
「親に会うだけで疲れる自分は、冷たいのだろうか」
そう感じている方も、いらっしゃるかもしれません。でも、それは決して、あなたが冷たいということではないと思います。
実家には、昔のあなたの居場所が、そのまま残っています。座る席、呼ばれ方、家の中での立ち位置。
場所と人がそろうと、なぜか記憶がひとりでによみがえってきませんか。「しっかりしたお姉ちゃん」「手のかからない子」「怒られ役」。そのころの自分に、体のほうが先に戻ってしまうような感覚です。
今の自分なら言えることが、その場では、なぜか言えなくなる。
それは、あなた自身の問題だからではなく、その場所そのものが、あなたを昔の自分に、そっと引き戻してしまうからなのかもしれません。
昔のままの言葉と、まだ残っている「わかってほしい」
家族というのは、変わるのに時間がかかるものなのかもしれません。
こちらが10年かけて変わっても、実家では、まだ「昔のあなた」に向けられる言葉が使われ続けている。そんなことも、あるのではないでしょうか。
それから、こんな経験はありませんか。話そうとした瞬間に、返ってくる言葉が先に浮かんでしまって、言う前にやめてしまう。
子どものころ、親の機嫌を読むことは、生活そのものに直結していました。だからこそ、相手の反応を先に感じ取る力が、知らないうちに、とても敏感に育っているのかもしれません。
そしてもうひとつ、心のどこかに、こんな気持ちが残っていることもあります。
「わかってほしい」
もう期待していないつもりでも、わかってもらえる可能性を、まだ少し残している。だから会いに行く。そして、わかってもらえないまま、帰ってくる。
疲れの多くは、この期待と現実の落差から来ているのかもしれないな、と思うことがあります。
罪悪感の正体
「親も歳をとったのに、こんなふうに思う自分はひどい」
そう感じてはいませんか。
でも、その罪悪感は、あなたが冷たいからという事ではないと思います。むしろ、その関係を大事にしたい気持ちの表れなのかもしれません。
どうでもいい相手に、罪悪感は湧いてきません。それはきっと、まだ縁を切っていない、大切な相手だからこその感情なのかもしれません。
ひとつだけできるとしたら
距離のとり方は、いくつも考えられるのですが、たくさん並べても、実家に向かう途中で、全部覚えていられる方は少ないと思います。
もしひとつだけ挙げるとしたら、滞在時間を先に決めておくことでしょうか。
「日曜の15時に帰るね」と、着く前に伝えておく。
終わりが見えていると、人は案外、耐えられるものです。決めずに行くと、帰るタイミングを探す作業が、滞在中ずっと続いてしまう。それ自体が、静かに消耗する原因になっているのかもしれません。
ただ、これができるかどうかは、相手との関係によって変わってきます。先に帰る時間を伝えること自体が難しいご家庭も、もちろんあると思います。そういう場合は、時間の問題ではなく、もう少し手前に、理由があるのかもしれません。
帰ったあとの、自分を取り戻す時間
実家から戻った日は、できれば、予定を入れずにおいてみてください。
自分の部屋のにおい、自分で選んだ食器、自分の生活リズム。「今の自分の居場所は、ここだ」と、体に確認させてあげると、巻き戻っていた年齢が、少しずつ戻ってくるように思います。
もし、実家に行くたびに眠れなくなる、動悸が続く、涙が止まらないといった状態が続くようなら、それは、頻度そのものを見直した方がいいサインかもしれません。会うことは、義務ではない、という前提をもっておかれるといいかもしれませんね。
親を変えることはできなくても、距離は、少しずつ変えていけます。そして、距離が変わると、関係そのものも、少しずつ変わっていくことがあります。
とはいえ、どこに線を引くかを一人で決めようとすると、たいてい罪悪感のほうが勝ってしまいます。「これくらい我慢すればいいか」と、また元の場所に戻ってしまう。
その線をどこに引くか、誰かと話しながら一緒に探していく時間を持つことも、ひとつの方法だと思います。
今日も、あなたの一歩にそっと寄り添えたなら嬉しいです。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(札幌支部)心理カウンセラー
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